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アヤナザのポルトガル通信
第44回:ポルトガル最後の王朝の跡
2022.07.01本日は
Vila Viçosa ヴィラヴィソーザ の記事。
ここはアレンテージョのスペイン近くにある小さな小さな町ですが、ずっと行きたかった場所。
なぜなら、あのブラガンサ王朝があった場所だからです。
まずは定番の市街地へ向かいます。
この町のメインな場所は1本の道だけ。人口5000人の大変小さな町ではありますが、
それでも、ポルトガルの街中は必ずこうして中心となる広場、教会、そこを囲む城という風に
計画的なフォームに沿って街づくりがされているのでどんなに田舎でも美しい。
ここが一本道となり、教会の向かい側には古城が建っていました。
まずはお散歩。一本道になっている素敵な道と広場。教会の真正面に道を挟んであるのが、
O Castelo de Vila Viçosa (ヴィラヴィソーザ城)
です。
内側はこんな風になっていてこじんまりとしたお城が中にありました。
ポルトガルの他のお城と比べてしまうと、どうしても「普通かな?」と思ってしまいましたが、なかなかの歴史があり、
ここも、ブラガンサ王朝の所有していたものでした。
街中にある教会を見て、お城を見た後は、現地の人々の暮らしも気になり、あたりをウロウロ。
青色と黄色の建物に、モザイクタイルが映えます。
町の雰囲気は典型的なポルトガルの田舎町。時間がゆっくりと流れています。
こんな田舎でも変な目で見られることはなく、行く人行く人みんながアジア人の娘を見て、
かわいいかわいいと感動して過ぎ去って行くため、ポルトガルは本当に子連れに優しい国だなぁと実感。
それからアイスクリームとカフェを飲んで一息ついたあと、
一番の目当てであった、ブラガンサ王朝があった宮殿の場所へ車で向かいました。
The Ducal Palace (公爵の宮殿)
です!
パレスの横には教会や修道院が一緒にあるのがポルトガルの基本スタイルで、
このパレスの横にあった修道院は今はポウザーダになっており、そこにも泊まれるようになっております。
(今回私たちは泊まれませんでしたが・・・)
広場に面しているのですぐに発見できますよ。
ブラガンサ王朝とは、1640年から1910年までポルトガル王国を統治したポルトガル最後の王朝。
また、当時のブラジル帝国(1822年 - 1899年)の2人の皇帝も出しているのです。
おぉー!!ブラジル人のパスポートみたいな大きな紋章を発見!!!
ブラジルに住んでいた私からすると絶対に行ってみたい場所だったブラガンサ王朝のパレス!
当時のポルトガルのブラジルの’’使い方’’は決して誇れるものではなく、汚い歴史も多いですが、
ブラジル側から見た、彼らの歴史と、ポルトガルから見た彼らの歴史をすり合わせるのは面白いです。
支配した側と支配された側でなんとも複雑。
そしてそれを自国の歴史として学んでいるブラジル人も、
自分のルーツはポルトガルだったりヨーロッパだったりするので、複雑さは一層増します。
近くで大理石が取れるので、色々なところに大理石が使われていて、田舎ながらに品がある町に見えるのは大理石のお陰もあるかもしれません。
しかし、パレスの広場は広くて広くて目的物にちょっと辿り着くにも精一杯。
曇りでよかったです。
ブラジル帝国の歴史ばかりに注目してふむふむと呼んでいると・・・
この人口5000人ほどの小さな町に、なんと我らが
「天正遣欧少年使節」も1584年に滞在していたらしい!なにー!
ここから先は撮影禁止だったため中は撮れませんでしたが、中も見学することができます。
1584年に、この宮殿に滞在した天正遣欧少年使節の人々は、さぞ素敵な建築物に圧倒されたことだろうなと。
天正遣欧少年使節のおかげで日本人という存在がポルトガルまたはヨーロッパに知れ渡ったと聞いていたので
彼らは本当に重要な役割だったのだなぁと感じます。
(帰国時には、入国拒否とかされていたけれど・・・)
天正遣欧少年使節に対してはポルトガルで遭遇する度に、色々な思いを抱えてしまいます。
確かにキリスト教を禁止しなければ、この国の文化や歴史は守れなかっただろうし、何より植民地化していたかもしれない。
でも、彼らがいなければ、欧米諸国との結びつきもなかったと思うと、
こんなにすごい時代のヨーロッパを経験しておきながら、日本で酷い扱いをされた彼らを残念に思うものです。
2000年に入ってからは、ツーリズムがこの町の主な産業らしいが、人が・・・いないぞ!
この時はまだコロナも始まる前だったのに、人が誰もいないのが気になるポイントではありました。
ヴィラヴィソーザのは、ここのポウザーダに泊まりつつ訪れるのがおすすめです!
コロナが落ち着いてきた今、ポルトガルに行かれる方はぜひヴィラヴィソーザも見てみてくださいね!
小さいですが、色々な歴史がある素敵な町です。
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10代の頃からフランス、オーストラリア、ブラジルと様々な国々にて10年ほど海外生活を送った後、いわゆる西洋文化の中ではポルトガルが日本人に1番合うと確信。ポルトガル移民が多いブラジルはクリチバに在住中、ポルトガルと出逢い、2014年ポルトガル食品のインポーターに。
ポルトガル語、英語、日本語の3ヶ国語を話す。1児の母。趣味は茶道とフルート。
最近は「ZEN」と「マインドフルネス」について調べるのが好き。