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アヤナザのポルトガル通信
第51回:ポウザーダ セーラ・ダ・エストレラへ行ってみた【前編】
2022.10.043年ぶりのポルトガル。
今まで普通に日本と行き来していたポルトガルは2020年突然行けない場所に。
そんなこと思いもせずに前回離れたまま、コロナが始まり戻れない地となったこともあり、今回の旅は、
「これで最後かもしれない・・・」
という思いと共に、1ヶ月半過ごすことにしました。
そんな時に、もしこの先またMONKEY POXやよく分からない伝染病が流行って来れなくなるとしたら
どこへ行きたい?とリストをあげ、
そのトップにきた、「行ってみたかったポウザーダ」に全部泊まることに。
1個目はPousada da Serra da Estrela
ポウザーダ セーラ・ダ・エストレラ です。
セーラ・ダ・エストレラ地域に車で自分たちで運転して来るのは実は今回が初めて。
名前にも見れるようにエストレーラ山脈はポルトガルを代表するアイコニックな地形の山脈。
直訳すると「星の山脈」というなんともオシャレな名前を持つこの地は本当に星に近づいたような気分になれる場所です。
Googleマップに場所を設定すると、その設定された道はどんどん山を登っていきました。
その坂が凄まじいこと・・・「こんな道行けるの?」「車通れる?」と思うほどの坂道やクネクネ道を恐る恐る登って行くと、
見えてきたのは息を呑むような景色。
色々な村の人々に助けてもらいながらたどり着いたセーラは感動ものでした。
本当にポウザーダへ辿り着くことができるのか心配なほどの山道の運転でしたが、この道中の景色が見られただけで
あぁ来られてよかった・・・
と感じました。
先ほど通ってきた道や町を上から見下ろせるのはなんだかスペシャルな気分。
山肌の町 Covilhã
は特にセーラ・ダ・エストレラらしく、感動してしまいました。
この景色スポットからもう少し山を上り、そろそろセーラダエストレラの頂上か?と思われるところに出てきたのがこちら。
Pousada da Serra da Estrela
ポウザーダ セーラ・ダ・エストレラです。
思っていたよりもなんだか大きい!!!
ポウザーダはどこも、古くてこじんまりしているところが多いのですが、ここはなんだか全てが新しい!
そして・・・やはり・・・
大きい!!!笑
それもそのはず。
ポウザーダは中世の古城や修道院、歴史的な建物を改装してホテルにしたものが多いのですが、
ここはなんとOld Sanatorium!つまり「旧療養所」だったそうです。
標高が高く(標高1200メートルほど)、空気が澄んでいるという理由からここに療養所が建てられたのだとか。
観光客であるゲストのポルトガル人と庭で立ち話をしていると、
ここが病院だった時に、来たことがあると言っていた人もいたほどだったのです・・・。
なんて新しいポウザーダなんだ!そんなものあるのか?と色々気になり、ホテルの人に聞いてみると、
2014年にポウザーダとして新しく生まれ変わり、ポルトガルの中では一番新しいポウザーダとなったようです。
だから新しいのか!と納得しつつ建物を見て周っていたのですが、
新しいと言えど、この建物が最初に建てられたのは20世紀初頭。
100年の歴史など、なんてことがないように思えてしまうのが、
実にポルトガルらしいですね。
ポウザーダになってから造られたであろうプールは中にも外にもありました。
外からは大きすぎて全体像が見えないし、ブログの記事には上手く書けないからどうしよう・・・なんて思って散歩していると、
リビングルームにこんな全体像の模型が。
有名建築家Eduardo Souto Mouraという方にによって建てられたそうです。
今は大きさを変えてしまってあるためか、建物はここまで大きくありませんが、外から見た雰囲気はこのレプリカのままです。
次はお部屋の紹介。
大体ポウザーダのお部屋は古い古い建物を改装しているので、全て違う造りになっているのですが、
ここのホテルは療養施設だっため、造りが似ている部屋がズラリと続きます。
そのため、今まで行ったポウザーダとは全く雰囲気も違い、天井も高く、部屋も広々としています。
そして何より防音。
ここで4歳の娘が窓から外を見ながらヒトコト。
「わぁ。ポルトガルじゃないみたいな木がたくさんある〜!」
何かと思って見てみると、もみの木でした。
なるほど。
ここはポルトガル本土では一番標高が高い場所1,993mがすぐ近くにあります。
このホテルも1200mとなかなかの高さ。
ポルトガルでは唯一、雪が降る場所。
そのため、ポルトガルではあまり見ない、もみの木を植えたのだとか。
もみの木は針葉樹で冬でも葉を落とさない強さを持っていることから、「永遠の命」と言われることが西洋ではあるようです。
不治の病と診断された人々もここ療養されていたと聞くと、
やはり、色々な思いがこのお庭には込められているのだなぁとぼんやり感じました。
しかし、単純に美しい。
バスルームもかなり改装されたのだと思いますが、とても広く綺麗でした。
窓から見られる景色はなんだかとても神秘的!
中にあるエベレーターは、全てこのような古いスタイルがそのまま使われています。
本当に映画みたい。
ヨーロッパでは未だに見ることがたまにあるエレベーターですが、扉がついていて、
中から見えるようになったものです。
メンテナンスがとてもしっかりされていて、途中で止まる恐怖感もありませんでした。
そして庭からは絶景!!!!
昼も夜もコビリャン町の雰囲気が全て上から見えるのです。
ここのお庭からの景色が本当に感動的で・・・コビリャンなど行きたい町リストにすら入っていなかったのですが、
神秘的な地形に恋をして、ここからの景色が今回の1ヶ月半の旅で一番感動したものとなりました。
写真では伝えられないほどの雰囲気なのが悔しいほど・・・。
飛行機が着陸するような感覚をずっと味わえるような素晴らしい景色が楽しめるお庭でした。
後編へ続く・・・。
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10代の頃からフランス、オーストラリア、ブラジルと様々な国々にて10年ほど海外生活を送った後、いわゆる西洋文化の中ではポルトガルが日本人に1番合うと確信。ポルトガル移民が多いブラジルはクリチバに在住中、ポルトガルと出逢い、2014年ポルトガル食品のインポーターに。
ポルトガル語、英語、日本語の3ヶ国語を話す。1児の母。趣味は茶道。