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アヤナザのポルトガル通信
第60回:山奥の元修道院 ''Pousada Mosteiro Amares''
2023.03.24
ポウザーダ巡り。
本日のポウザーダはポルトガルの北の方にあるあるミーニョ地方のポウザーダ。
ブラガから近いアマレスという町の山奥にあり、ひたすらクネクネ道を運転していくとポツリと出てくるポウザーダです。
正面に見えるのが教会。右手に見えるのが今回泊まることになっているポウザーダです。
娘が一言、またお城?もう怖いよ。と渋々入って行ったのですが、ここはそれくらい元々の雰囲気がある場所!
観光地っぽい香りが全くしない場所で、まだまだ昔の宗教的な雰囲気が漂う場所でもありました。
さすが祈りの町ブラガの近く。北部はカトリック色が未だに強いところがく北部では田舎の方へ行くと、
教会からお祈りの声が放送で決まった時間に流れてきたりします。
これは流石にポルトガルの都会では聞くことができないし、他のヨーロッパ諸国でも最近は無宗教や仏教が人気が出てきている場所が多いため、ポルトガルらしいなぁと思いました。ポルトガルはまだまだカトリック信者が圧倒的に多いです。
ポウサーダ自体は、有名なポルトガルの建築家Eduardo Souto de Mouraによってホテルに改装された12 世紀の修道院なため、周りは自然しかなくてとても静か。探検する場所がたくさんあり、素敵な場所です。
早速、重厚感に満ちた敷居をまたぎます。
MOSTEIROは修道院。ここはAMARESのMOSTEIROを改装されてつくられたポウザーダなのです。
どうやらここは結婚式を挙げる場所としても人気のよう。素敵ですね。こんな場所で結婚してみたかったかも!
ホテルの中に入ると修道院らしい回廊がお出迎え。
こんな素晴らしい建築があるのにも関わらず、観光客もゼロ。ホテルの人も滞在客もほとんどいません。独り占めですね。
外から見ると、一面石の壁になっていて中が想像できませんが、中はとても広々としています。
山の中にある元修道院とだけあってとにかく静寂、そしてかなり厳かな空気が流れています。
廊下や回路などは雰囲気が物々しすぎて完全にタイムトラベルのワンシーン。
部屋にたどり着くまでの廊下や回廊は怖いほど。人に出くわすこともなく、自分の足音が廊下中にカツコツと響き渡ります。
ずっと廊下沿いに置かれているキャンドルは本物で、ヒンヤリと静まり返った修道院さが浮き出てくるようで、カトリックではない私が、ここにいても良いのだろうかと感じました。
夜は背筋も凍ります。
そして到着したお部屋はこんな感じ。こじんまりとしていますが、モダンで窓ふちの壁は石が剥き出しで昔の素材をしっかり出していました。
お部屋からの景色はこんな感じ。庭にはプールもあり、遠くにはポルトガルの北部らしい山々が見渡せます。
ポルトガル北部の山は、日本の山にも少し似てますね。
この写真で、この元修道院がどんな壮大な自然の中にポツンとあるか感じることができるでしょうか・・・。
お風呂は広くもなく、狭くもなく。ポウザーダは使いにくいバスルームも多いのですが、
ここは大変綺麗で使いやすかったです。(シャワーが漏れるのはもはや恒例行事ですが。)
そしてこれは何でしょう・・・?
これ、実はルームキーなんです!!!
鍵が大きすぎて重すぎて、ポケットにも、カバンにも入らない!大体大きさとしてはビリヤードボールくらい。
重さとしてはビリヤードボール2個くらい?大きいだけでなく、しっかり重いのです!これは元々修道院で本当に使われていたロザリオの一部の数珠らしく、色々なところにこだわっているなぁと感心。
そして、こちらはレストラン。
ディナーとブレックファーストが食べられるようになっております。
なかなかの雰囲気。
こちらはお酒が飲めるちょっとしたラウンジバーです。
大きな石が椅子代わりに配置されているのも、とっても素敵。
横にある暖炉からは、まさにこういう場所から暖炉というものが生まれ発達したのだろうな・・・
と感じられるほど、暖炉がしっくりくる場所でした。
とにかく石に囲まれて過ごす滞在は重厚感を肌全体で感じることができるため、とても特別です。
娘が石に囲まれた空間を異様に感じたのか、ずっと怖そうにキョロキョロ。
物語で三匹の子豚の家が石でできているのが想像ができなかったらしいですが、
この場所を見て、子豚の石の家ってこんな感じなのかなぁと想像を膨らませていました。
そして朝。
朝起きて見る石で出来たポウザーダはまたもや違った雰囲気です。
石のテーブルの上に揃えられる朝食ビュッフェはなんだかとても非日常的でスペシャルな空間でした。
メニューはどこのポウザーダも全く同じで、大体プレートに取るものも一定になってきます。
石の建物の中はとにかくひんやりとするので、朝も少し肌寒いと感じながら朝食を。
その後また、回廊でゆっくりとしながら修道院のつくりのすごさと昔のカトリックの権力の強さについて考えながらコーヒーをゆっくり飲みました。
どんな歴史的な場所へ行っても感じる、切っても切れないポルトガルとカトリックの関係性ですが、
こんな山奥の田舎にまでここまで立派な教会と修道院をつくり、
またその宗教の力は極東の日本まで及んでいた思うと、当時のカトリックの布教のすごさを感じられずにはいられません。
そして歴史的なものを潰さずに保存するポルトガルやセンスのある建築家Eduardo Souto de Mouraにも感動です。
ちょっと観光には疲れてしまった・・・本当のタイムスリップを体験したい!という方にはとってもオススメのポウザーダです。ここは今までに訪れたポウザーダの中で間違いなく一番の秘境というか隠れ家スポットでした。
ちなみに、まだ結婚してない人は、ここでのウェディングなんかもとってもオススメですよー!
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