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アヤナザのポルトガル通信

第65回:ポルトガルのアグリツーリズム


2024.05.10

ポルトガルに滞在となるとやはり歴史的なポウザーダに目が行きがちですが、
昨今ポルトガルはアグリツーリズモにも力を入れております。
「Agriculture(農業)」と「Tourism(旅行)」
合わせてアグリツーリズム。(ポルトガル語ではアグリツーリズモ。)

今回はTurismo de Portugalからも許可を受けている
Quinta do Barreiroという場所に滞在してきました。

場所はアレンテージョのボルバという小さな町に広がるワイン畑です。



ポルトガルのワインといえばDouroがすぐに浮かびますが、
ドウロは渓谷、こちらはアレンテージョのどこまでも広がる平野・・・
全く違う世界にいるようでとても面白い!

この完璧ではない場所が最高に良いのです。
日本はどこに行っても綺麗だし、整備されているし、アスファルトがない場所がない!!!
ポルトガルの、この土っぽい感じがたまらなく好きです!!!



綺麗に整備がされていないワイン畑を野良犬に追いかけられながら、
ゆっくりゴトゴトと進んでいくとプールの登場です。



このとってつけた感じのプールがまさにアレンテージョ!
周りにむき出しになった土の感じと良い、一部しか舗装されていない石の感じといい
人間であることを感じさせられます。

やはり不完全な場所は人間らしさを取り戻せるような気がして素晴らしいですね。
ポルトガルの田舎はある意味、完璧なる不完全な場所。
パーフェクトインパーフェクションです。

さて農機小屋や、ファーマーの休憩場所をリノベーションして作られたホテルと聞いたので、
そこまで期待していなかったお部屋ですが、とても綺麗でした!



ベットルームもあり、
リビングもあり、



おまけにキッチンまでついている!
想像していたよりもとても広く嬉しいサプライズです。

長期滞在ではなかったのでキッチンはあまり使いませんでしたが、
何か温めたりすることもできますし、フルーツなどを保存しておけるため、冷蔵庫が助かりました。



お食事や軽食は、お部屋でも食べられるのですが、
最高なのはドアのすぐ外のテラスのような場所に机と椅子が置いてあり、そこで食べられること。
こんな感じでアレンテージョの風を感じられるのがアグリツーリズムの良いところ。

たまらないアレンテージョの夕方のパステルカラーのコントラスト。



ここで夕日が落ちていくのをゆっくりとワインを飲みながら眺めることができます。
これぞ至福の時。
(私は専ら水ですが。)

この剥き出しの電線が私好み。



個人的な意見ではありますが、アレンテージョの「音」というのは犬の声。
家やファームの番犬、野良犬があちらこちらで夜まで吠えているのが広い大地に響き渡る。

私にとっては、それがアレンテージョらしい音と認識しているので、あの犬の鳴き声を聞くと
アレンテージョにいるなぁと感じます。



アレンテージョの夜は長い。
そうして朝になるとまた太陽がのぼり、アレンテージョらしいカラッとした1日が始まります。

ここのホテルは朝のブレクファースト付き。
日本ほど朝食が豪華なヨーロッパの国はないので、
この日も大した朝ごはんは期待していなかったのですが、
ドアのベルが鳴るので行ってみるとすでにブレクファーストが大変豪華に用意されておりました。



綺麗に並べれている朝ごはんと手作りの素朴な卵焼きを見ると、
母の愛のようなものを感じ、幸せな気分になります。

ホテルのように無機質ではないところが、アグリツーリズムの良さ。
豪華なものばかりだと、胸焼けを起こしそう。。。



フルーツなどは日本のように甘くはありませんが、
糖尿に気をつけなければならない私からすれば、これくらいで丁度いい。
カラっとした朝の風を感じられる素敵なアレンテージョのブレクファーストタイムでした。

この日は新刊の本宣伝用撮影の日だったので朝から大忙し。



ポルトガルへ行ったらおすすめはとにかく田舎に滞在すること。
歴史を辿るポウザーダもおすすめですが、
まだまだのびしろがあるアグリツーリズムも是非体験してみてくださいね!

どこへ行っても完璧すぎる日本の生活からちょっと息抜きができるのでオススメです。

今回紹介したホテル、Quinta do Barreiro はこちら


  


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Profile
筆者:アヤナザ

ポルトガル食品輸入会社ポルトドポルトのバイヤー。10代の頃からフランス、オーストラリア、ブラジルと様々な国々にて10年ほど海外生活を送った後、西洋文化の中ではポルトガルが日本人に1番合うと確信。オーストラリアNSW州立ウェスタンシドニー大学を卒業後、ブラジルで就職。帰国後ドイツ系会社で社長秘書を勤めた後、夫と共にポルトガル食材輸入会社を起業。ポルトガル語、英語、日本語の3ヶ国語を話す。
NHK総合の人気番組「世界は欲しいモノにあふれてる」に出演後、ラジオゲストや、NHK文化センター講師など、幅広く活躍中。