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アヤナザのポルトガル通信

第67回:ブラガンサの元修道院にお泊まり


2024.05.24

今回紹介する町ブラガンサはポルトガルの最北東部に位置する町として有名。
伝統的なトラス・オス・モンテス地方のメインの町でもあり、
城壁なども綺麗に残る中世ヨーロッパの面影が色濃く残っている町です。

ここは何を隠そう1640年から1910年までポルトガル王、
1822年から1889年まではブラジル皇帝を出したブラガンサ家の本拠地なのです。

現在は、スペイン国境近くの町として、
フランスやスペインに行く時や来るときの中継地のような休憩場所になっている町のよう。
そのためフランス人やスペイン人がたくさんいました。



本当に小さな町なのですが、町中の教会や建造物もしっかりしていて、
ブラガンサ家の繁栄の面影を町のあちらこちらで感じることができます。
ポルトガルは本当に昔は凄かったんだな。

教会の前にある罪人のさらし柱はポルトガル中の色々な場所の目立つ場所に普通に残っていますが、
見る度に怖いなぁと感じるものの一つ。



有名な教会に行くと、観光客でごった返してしてお祈りをしている人の方が少数派ですが、
ここの町中の教会は観光客用ではなく、地元の礼拝者でいっぱい。

昨今の社会的な動きとしては、
ヨーロッパでは宗教離れ、特にカトリック離れは急激に進んでいますが、
ポルトガルはまだまだカトリック信者がたくさんいる国だなぁと個人的には感じます。
無論、礼拝者はお爺ちゃま、お婆ちゃまばかりでしたが・・・

町中散歩をしていると、ディスプレイなど色々な場所で見るこの赤鬼のような衣装。
Festas de Tras-os-Montes トラス・オス・モンテス地方の祭りです。



この地域でクリスマスからクリスマス明けの王様の日1月6日ごろまで行われる地元の伝統的なお祭りです。 

色々なスタイルの鬼のようなお面があるのですが、
なかなかの勢いで娘が怖がりミュージアムには入れませんでした。

後ほど入るお店には等身大のマネキンがあったりも。

そんな面白い町で今回泊まる場所はなんと、12世紀の修道院を改装した
Solar de Santa Maria

外から見ると、看板も何も出ていないため、
本当にここ?と思うようなエントランスです。



中に入るとヒンやりとした風が流れてきて、すぐに教会や修道院を思い出されました。

ここは12世紀に建てられた古い建物で、改装前までは修道院の学校、
現在は 7 ベッドルームの小さなホテルとなっています。

ポウザーダも14世紀から16世紀が多いことをみると、この町の古さを感じることができます。

あんなに狭い道から入ってきたのに、中に入るとお庭もありこんなに開けている。
それがポルトガルの街中の家の造りです。



ポウザーダとは違い、隅から隅まで綺麗にプロによって改装されていないのがまた良いところ。
素敵なご夫婦がここの番人をされていて、
色々な歴史や、ポルトガルがどう変わったか、どう感じているかなど教えてもらうことができます。
やはりローカルの声が生で聞けるのは本当に貴重な体験。

彼らはブラガンサを愛してやまないようでした。



こちらが私たちが宿泊させてもらったお部屋。
もちろん綺麗に改装されているのですが、色々なものがポウザーダよりもオーセンティックな感じがして、
ゾクゾク!

古いこともあり、快適を求めている方には向かない場所ですが、
ここが12世紀からあると思うだけで、この部屋はどれだけのトキの動きをみて来たのだろうとワクワクしてしまいます。
これも、まさにポルトガルだからこそできる体験!



ポウザーダや歴史的なホテルで1番大変であろう
シャワーとお手洗いがあるバスルームの改装も綺麗にされていました。

2階にはもと修道院とだけあって小さいけれど、ホテルの大きさから見ると大きい礼拝所も。



宗教というのは戦争を起こし、人々を分離させるものとしての認識も多々ある一方、
人間にとってはなくてはならないものだったのだなぁとこういう場所ではよく考えさせられます。

そして、ここのホテルの朝ごはんがまた豪華でした。
2人がせっせと作ってくれますがとても豪華!



ここの朝ごはん会場にて初めて宿泊している方々と顔を合わせることになります。

ブラガンサはロードトリップの中継地なので、賑やかなスペインの学生とかが騒いでて寝れなかったらどうしようと
心配していたのですが、
よくいるヨーロッパのヤングパーティーピーポーもいない宿で宿泊している人々は落ち着いている方が多かったです。
壁は薄いですが、しっかりと睡眠は取れました。

朝食が終わったらホテル周辺の朝のお散歩。
ホテルの近くには第一次世界大戦でフランスで戦死したブラガンサの戦士を讃える記念碑なども。



この町は一歩外に出れば教会にあたる。
そして、こんなに小さな町なのに、やはり教会が立派!



なんて事のない町の教会なのに、こんなに煌びやか。
当時のポルトガルの力を表していますね。

さすが、ブラガンサ家の本拠地です。



この町の少し小高いところへ行くと見える周辺の景色。
この写真を見れば、この町がどんなに小さいかも分かるはず・・・



ポルトガルへ行ったらおすすめはとにかく田舎に滞在すること。
歴史を辿るポウザーダもおすすめですが、
ポウザーダとして登録されていない個人の持ち物でもこういう場所があるので、
少しずつ紹介して行けたらと思います。

ブラガンサ家の本拠地、オーセンティックな歴史を感じられる場所でもありますので
是非足を運んでみてくださいね!
 

今回紹介したホテル、Solar de Santa Maria はこちら


  


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Profile
筆者:アヤナザ

ポルトガル食品輸入会社ポルトドポルトのバイヤー。10代の頃からフランス、オーストラリア、ブラジルと様々な国々にて10年ほど海外生活を送った後、西洋文化の中ではポルトガルが日本人に1番合うと確信。オーストラリアNSW州立ウェスタンシドニー大学を卒業後、ブラジルで就職。帰国後ドイツ系会社で社長秘書を勤めた後、夫と共にポルトガル食材輸入会社を起業。ポルトガル語、英語、日本語の3ヶ国語を話す。
NHK総合の人気番組「世界は欲しいモノにあふれてる」に出演後、ラジオゲストや、NHK文化センター講師など、幅広く活躍中。