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アヤナザのポルトガル通信

第71回:元ウール工場のホテルで感動


2024.07.05

今までにもこのブログには、
元病院、元修道院、元ワインファーム、元レストランなど・・・
ポルトガルでは古いものを大切にする文化があるので、
改装がしてある色々な場所に泊まったレポートをしてきました。

そんな中、本日のレポート記事はなんと・・・
セーラ・ダ・エストレーラの元ウール工場ホテルです!!!!

ポルトガルはポウザーダにもアグリツーリズモにも、元工場にも、
色々な場所に泊まれるので本当に面白い。
泊まるだけで、色々な経験ができます。



ここホテルダファブリカは
セーラ・ダ・エストレーラの元ウール工場と聞いた時に、
面白すぎる!!!!泊まりたい!!!とすぐに思った場所です。

そうセーラ・ダ・エストレーラは、
言わずと知れた有名なウールの産地なのです!



本日のホテル名はそのまま
Hotel da Fábrica

直訳は「工場ホテル」
ホントそのまま!!!笑

火事が起きているセーラ・ダ・エストレーラの山々の間を通りながら到着したこのホテル・・・

到着すると、
なんだか誰もいない!!!
予約時から、英語が変だったり、連絡が来たりこなかったりしていたので、
あれれ?
と思っていたのですが、単純に慣れてないだけかも。



しっかりしたホテルなのですが、
人もいなくて鍵も閉まっていたので電話をすると、
隣の家に住んでいる娘さんが出てきて、すぐにホテルのロビーに通してくれました。
ポルトガルの実家感が溢れている!!!笑

通されたロビーもシンプルだけど素敵な内装。



その後通してくれたお部屋は広くはないけれど、
とても綺麗で景色が実にセーラ・ダ・エストレーラらしく可愛いお部屋でした。
色々な場所にウールがあり、そこは拘っている!



シャワールームやトイレなどあちらこちらに、かわいい羊さんがついていたので、
なんだか心が躍りました。

ちょっとした階段の踊り場やロビーにもウールの可愛い物が置いてあるのがたまりません。



なんだかいい感じ。
ウールってなんでこんなに可愛いんだろう。
こんなにあちらこちらでウールに囲まれたのは初めてで幸せな気分に包まれます。

ホテルに着いた後は、
ホテルのオーナーさんに言われてすぐ側にある今実際に稼働している工場も見学に行って来ました。
ずーっと一緒にいたので、身の上話や今までの会社のことなど色々なことを教えてくれました。



この地図の工場マークのような工場は久しぶりに見ました。
中は本当にウールの工場ってこんな感じなんだ!と分かりとても面白かった。

ここからたくさんのウールが某有名企業を通して日本に行っていると・・・
あの店のウール商品はここから来ていたのか!!!
だから、彼らは日本に対してやたら詳しかったのか!と納得。



私たちは繊維の町出身なので、こういう織り機が何とも懐かしい!!!
この機械が稼働すると、ものすごい音がするのですが、
私たちの地元もその音で溢れているので、なんだか地元に帰ってきたみたい!と
盛り上がりました。

小さなお店が工場の横にあるので、興奮して買い物をしていると時間が飛んでいく。
家のソファにマンテイガスのウールを置くぞ!とウール選びに興奮する私。
そんなこんなで1日が過ぎて行きました。

さてさて、そんなこんなで次の日に。
ロビーの横にある、窓が大きくて天井が高い食事をする場所からは
最高な景色が広がっていました。
これぞマンテイガス!!!!

   

朝食はこんな素敵な場所でほぼ貸切!!!
大きな窓から見える、マンテイガスの景色がたまらなく最高なのです。

この落ち着く田舎。
山々の間にこっそりと存在している小さな町マンテイガス。



こんな素敵なコンチネンタル朝食を出してくれました。
窓からの景色はまさにセーラ・ダ・エストレーラのイメージそのもの!!!

ここを朝と夜になると羊の集団と羊飼いのおじさんがぞろぞろと鐘の音と一緒に歩いていくのです。
想像できますか?

21世紀の今、羊飼いのおじさんがマントを着て杖を持って、鐘をつる下げて羊の群れを
山まで連れていく光景をこの目で見た時には本当に感激してしまいました。

1日の始まりと終わりには、カランコロンという音がどこからともなく聞こえて来て、
羊の群れが道路をゾロゾロと歩いていくのです。



ここの町、マンテイガスはとにかく「人里離れた」感がものすごく感じられる場所!
この便利になった時代、繋がりたくなくても、どこでも誰とでも繋がってしまう世界で、
しばらく味わえることがなかった「どこか遠くにいる」「人里離れた」感じは
とにかく貴重なもの!!!
ポルトガルが提供できる最高の代物だと感じています。

彼らから言わせると、
どこでも通じると思っていた英語も全く通じず、
自分の常識やカルチャーまでその概念ごと覆される日本の方が面白いらしく、
その言葉、そっくりそのまま返すよ。ともよく言われたりしますが・・・

とにかくセーラ・ダ・エストレーラには
久しぶりに心を揺すぶられるほど感動してしまいました。
まさか、通りすがりの羊飼いのおじさんがここまで自分の人生を豊かにしてくれるとは、
面白いものですね。

彼も予想もしていないでしょう。

夜には何もない村の町明かりがこんな風に幻想的に光ります。



深い山奥にこっそり存在するセーラ・ダ・エストレーラの町、マンテイガス。
久しぶりに感動したステイとなりました。

ここまで秘境と呼ばれる場所がなくなって来てしまうと、
秘境に出逢えた時の感動が止まりませんね。

今回紹介したレストラン、Hotel da Fábricaはこちら


  


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Profile
筆者:アヤナザ

ポルトガル食品輸入会社ポルトドポルトのバイヤー。10代の頃からフランス、オーストラリア、ブラジルと様々な国々にて10年ほど海外生活を送った後、西洋文化の中ではポルトガルが日本人に1番合うと確信。オーストラリアNSW州立ウェスタンシドニー大学を卒業後、ブラジルで就職。帰国後ドイツ系会社で社長秘書を勤めた後、夫と共にポルトガル食材輸入会社を起業。ポルトガル語、英語、日本語の3ヶ国語を話す。
NHK総合の人気番組「世界は欲しいモノにあふれてる」に出演後、ラジオゲストや、NHK文化センター講師など、幅広く活躍中。