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アヤナザのポルトガル通信
第86回:マルバオンでティータイム
2025.10.24
マルバオンに行くまでの記事や、マルバオンのポウザーダの記事はたくさん書いていたのに、肝心のマルバオンについてあまり触れていなかったことに気がついた!
ということで、本日は大好きなマルバオンについて。これはスペイン側から走ってきた時に見えてくるマルバオンの町。
この写真でどのように「町がそびえたっている」のが伝わりますか?

町が見えてきた。
そう、これがマルバオンの有名なエリアなのです。
すごいでしょ?
圧巻!!!!

ポルトガルの東の端、スペイン国境近くの山の上に、
標高約860メートルの高台に位置し、
まるで時間が止まったかのような静けさが広がる、
それがMarvão(マルヴァオン)です。

何度来てもシビれる〜〜
サイクリストがたくさんいる町なのですが、最後の最後にこの石畳が彼らを苦しめているようで
ゼェゼェ言いながら登っていく英語圏の方々がたくさんいます。
途中で倒れないか、見ているこっちが心配になってしまうのは言うまでもありません。

これが城壁の中の雰囲気。ここをアスファルトにせずに石畳で保っているのがすごい。
マルヴァオンの起源は古く、
中世にはポルトガル王国の東の守りとして要塞化されました。
その名は、ムーア人の「Ibn Marwan(イブン・マルワン)」
町のシンボルはもちろん「マルヴァオン城(Castelo de Marvão)」。
岩山の上に築かれたこの城からは、

風が吹くたびに、
あぁ素敵だ。

私たちが到着した日は大雨。霧に包まれてしまい、辺り一面何も見えなかったので、本当に要塞に閉じ込められてる気分になったり。。。そんな感じでドキドキ、ワクワク。
雨が降っているマルヴァオンもまた趣深い。

翌日、空はすっかり晴れ渡り、マルヴァオンの町はまるで別世界のよう。
昨日まで霧に包まれていた石畳が太陽の光を受けてきらきらと輝いていました。 坂道を登って城壁の上まで行くと、そこには白い家々とオレンジ色の屋根が連なる美しい風景が広がります。
そんな景色を眺めながら、城壁の町の小さなカフェで一杯のコーヒーを。
澄んだ空気の中で飲むその味は、どんな高級レストランよりも特別でした。

そして焼きたての絶品ケイジャーダまで!!

個人的には、シントラの有名店のごちゃちゃした中で食べるよりも、絶対にここで食べた方が美味しい!!!
風が心地よく顔をなで、どこからか教会の鐘の音が響いてくる。
ただ静かに座っているだけで、時間がゆっくりと流れていくのを感じます。
雨の日も晴れの日も、マルヴァオンは美しい!!

小さな城壁の中には何もないように見えて、教会も何個かあり、実は小さな子供用の公園まであったりします。
こんな平野が何もない場所に公園まで作ってしまうなんて!
子供たちもこの石の坂道を走っていくのは転んで怪我をしないかとヒヤヒヤしていたので、公園で遊んでくれた時にはホッとしたり。公園もしっかり崖の上に立っているのが、さすがマルヴァオン。
そしてポルトガルはやっぱり子供に優しい国だ。

大雨の中、雲の上で楽しんだ気分になった後、晴れ間の中で味わったカフェタイム。
どちらのマルヴァオンも、それぞれ違う表情で心に残りました。
静かで、訪問するのにも少し不便だけど、だからこそ忘れられない。
マルヴァオンはそんなポルトガルの素敵な天空の町です。
こんな素敵な場所、いつまでも残り続けて欲しいなぁ・・・

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ポルトガル食品輸入会社ポルトドポルトのバイヤー。10代の頃からフランス、オーストラリア、ブラジルと様々な国々にて10年ほど海外生活を送った後、西洋文化の中ではポルトガルが日本人に1番合うと確信。オーストラリアNSW州立ウェスタンシドニー大学を卒業後、ブラジルで就職。帰国後ドイツ系会社で社長秘書を勤めた後、夫と共にポルトガル食材輸入会社を起業。ポルトガル語、英語、日本語の3ヶ国語を話す。
NHK総合の人気番組「世界は欲しいモノにあふれてる」に出演後、ラジオゲストや、NHK文化センター講師など、幅広く活躍中。




