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アヤナザのポルトガル通信

【はしやすめ記事】日本とポルトガルの陶器 :コニンブリガ陶器


2020.07.28

SNSに先週のせた陶器について書いたことに関して少しコメントやメッセージがきたので今日はそこを掘り下げて行ってみようと思います。ポルトガルの食品を輸入していると自然とポルトガルのテーブルウェアにも目がいく訳で、ここ数年少しずつポルトガルの陶器にも自分の意識が向いていることが分かってきた私。

そしてポルトガルの陶器に意識を向けると自然と日本の陶器にも注目するようになり、ポルトの仕事を初めてから結構陶器のことを勉強するように。

昔はテーブルウェアはオシャレなら何でもいいと思っていて、特に自分のこだわりや、これとこれの組み合わせはどうのこうのと言うデザイナーじみたことは一切考えたりしませんでした。

しかしここに来て、中学からの友人が美大に行った上で陶芸を専攻していた理由や、似たような陶器を何個も買い集めていた母の気持ちがやっと分かるように。陶芸や陶器の奥は本当に深い。陶芸と言っても今私が興味があるのはポルトと関係する食品関係なので主に食器ですが。

そんなこんなで茶道でも良く知らない茶碗の説明を先生がしてくれるようになったので、色々な茶碗やその背景について調べていたら、少しずつポルトガルと繋がっていった!!!気がついたら、色々と点と点が結びついて、陶器について自己流そしてポルトガルと日本のフュージョン研究を始めていました!なるほど。これがスティーブ・ジョブズが言っていたConnecting the dots!点と点がいつか繋がる日が来る日を待てと言うことか!!!笑 

と謎解きをしているような気分になり一気に陶器の世界に引き込まれて行きました。



そんな矢先に、友人が地元遠州で有名な陶芸家の先生と繋がっていたため、彼が住む山奥へ陶芸をしに連れて行ってくれました。その時に陶芸のことを勉強しながら色々と発見をしたことがあるので今日はここにメモがてら記したいと思います。

まず最初に、ポルトガルの陶器は実はとても歴史もあり発展していてオシャレなものが多い。
スペインの陶器に比べてもお上品なものが多く、私的にはとても日本人好みだと思っております。
前回のポルトガル滞在でいくつか窯元を周ったのですが、ビスタアレグレと言う大手の陶器メイカーは創始者が貿易をして中国に行った時に中国の陶器にインスパイアされて自分も釜で焼き始めたのだと博物館で言っていました。

やっぱり!!!!!!

一つ一つに作品名がついているのですが、日本の名前がついている作品もあるほどです。
伝統工芸のアズレージョはイスラムの影響を受けているし、貿易を通してアジアの影響も受けているし、ポルトガルは元祖メルティングポット!!!

当時のポルトガル人が現在を見ていたら「何を今更グローバル化じゃ!」と言っていそうな勢いですね。

さて、ポルトガルの陶器の中でも、ビスタアレグレやボルダロは有名どころ。歴史も深いですが、もうブランドになってしまっているので、一般的なポルトガル陶器とは少し違う彼らの系統を走っていると思います。

しかし私が好きなものはもっと手作り感が出ていてぼってりとしている作りのポルトガルの土らしいテラコッタ感が出ているもの!ポルトガルのテラコッタ系の陶器はどう言う絵柄を付けるかにもよりますが、見立てで茶会をやりたいと思うほどに日本に合う陶器だと思うほどです。ヨーロッパのブランドであるロイヤルコペンハーゲンの陶磁器などと比べても普段使いができるし背伸びしていない感じが好き。

今もなお手作りで一つずつ作るアナログなポルトガルらしい陶器は使っていても、置いていても温かみが家のなかに差し込む。そんな陶器なんですね。



アレンテージョで工房を見学し、一通り陶器づくりがとのように行われているかをポルトガルで見てきた私。今回の窯元訪問では、作っていく工程も工房の雰囲気も日本とポルトガルと違うのに同じで当たり前かもしれないけれど、両国の近さを感じてしまいました。



なんだろうこの感じ。色々調べたり本で読んで、焼き方の違いや土の違いは理解をしていたのですが、いざ目で見ていると空気感が同じで間違い探しをしているかのようでした。両方とも、「アトリエ」と言う言葉も「工場」という言葉も合わない、まさに「工房」と言う感じ。



昔ながらの焼き方ややり方で地道に時間をかけて作っていました。やはり商売っ気が出てくると色々と投資をして大きい釜になって行くのだと思いますが、私が訪れた工房は日本もポルトガルも両方とも田舎の町へ移り住んで好きでやっている方々。生産性も何も無いような人たちなので、こんな素敵な陶器の顔が出せるのだと思いす。

ここだけの話、ちょっとばかし生活感が出ている辺りもとっても似てる点。笑

さて、たくさんあるポルトガルの陶器との共通点ですが、日本とポルトガルの陶器の類似点は本当に多いため、今回の記事だけでは、あまり伝えることができないので、今回は「コインブラ陶器」に絞って。

コニンブリガ陶器と言うと、ポルトガルでは有名で、動物や草花の絵が手書きで書かれているもの。後日コインブラ陶器は写真を追加する予定ですが、まずはこの抹茶碗を見てください。



娘の名付けにちなんで購入したこちらの抹茶碗。金銀の麗しい波にオシドリが浮いている風景なのですが、このオシドリ・・・何かに似ていませんか?

これは金沢の九谷焼と呼ばれるものなのですが、この九谷焼がコインブラ陶器にソックリ!!!私は、この茶碗には娘の名前が描かれているのと、ポルトガル要素が入っているという(娘の名前はポルトガル由来なので)ダブルな理由で買ったのですが、九谷焼を調べてみてビックリ。絵のタッチや本当にコインブラ陶器にソックリなのです。

他にも、日本の伝統的な焼き物とソックリなポルトガルの焼き物はたくさんあるので写真などを自分で集めてから追って書いて行く予定ですが、ポルトガルは日本との繋がりを見せてくれる国だなぁとつくづく思いました。



これからいくつかの陶器は輸入を開始する予定なので、商品の写真や陶器の詳細がここに載せられないのが残念ではありますが、今回の地元の釜での抹茶碗作りで色々なことがこれもみんなに伝えなければ!!!と頭に浮かんできたので、とてもインスパイアリングな1日となりました。




企業秘密で見せれないところの写真も多いですが日本とポルトガルの釜の雰囲気が伝わるには十分だったのでは無いでしょうか。結構こだわりが強いところだと窯元は見せてもらえないところも多いので、顔が広い連れて行ってくれた友人にただただ感謝です。

美味しい食べ物がたくさんあり、味覚も合う遠く離れた国ポルトガル。陶器などの美的感覚まで合うと思うと、まだまだ奥深い歴史など掘り下げる


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Profile
筆者:アヤナザ

10代の頃からフランス、オーストラリア、ブラジルと様々な国々にて10年ほど海外生活を送った後、いわゆる西洋文化の中ではポルトガルが日本人に1番合うと確信。ポルトガル移民が多いブラジルはクリチバに在住中、ポルトガルと出逢い、2014年ポルトガル食品のインポーターに。
ポルトガル語、英語、日本語の3ヶ国語を話す。1児の母。趣味は茶道とフルート。

最近は「ZEN」と「マインドフルネス」について調べるのが好き。