カート
  • ホーム
  • 第12回:谷底に潜む不思議な町 Curral Das Freiras

アヤナザのポルトガル通信

第12回:谷底に潜む不思議な町
  Curral Das Freiras


2020.08.07

マデイラの記事が続く最近。実は私が本当に気に入っているレストランや観光スポットは以前のブログ(はてなブログ)で既に紹介してしまっていたので、ウェブサイトに移ってからは書いていなかったのですが、こっちの記事にしてから結構たくさんの新しい人々が見にきてくれているので、こちらの紹介し直すことにしました。
 

ここは私がマデイラ島で1番感動した場所。そして1番来てよかったと思った場所です。

Curral Das Freiras

日本語でカタカナにすると、「クラル・ダス・フレイラス」が1番近いかな?地名を表記するカタカナの謎は永遠に解き明かせませんね。ここは山の中にひっそりと佇む小さな町。1度雑誌で読んでからというもの、私にとっては、まさに物語が始まりそうな場所でずっと行きたかったのですが、マデイラは遠すぎるので行けないとばかり思っていました。しかし、そんな時に訪れた今回のチャンス!!! 早速訪問することができて大興奮です!



フンシャルからは、クネクネの山道を縫うようにして上がって行くのですが、どんどん天気が悪くなって行来ます!さっきは晴れていたのに、さすがマデイラ!

この島にいると、南国の島にいるのにも関わらず、なんだか日本みたいだと錯覚する時があります。それはやはり、山と海の存在がとても近いからかな?日本もやっぱり島国なんだなぁと考えることが多かったマデイラでの滞在だったのですが、この峠を抜ける道は特に日本みたいだと感じました。

途中にはこんな気になる洞窟も。



マデイラ島では去年ドイツ人観光客を乗せたバスが崖から墜落して29人が亡くなるというバスの転落事故が起きていたので、運転も慎重に・・・。なかなか際どいところにガードレールも付いていない道がクネクネと続いているので、私としては結構怖い。こういうのを見ても日本は本当に整備が山奥まで行き届いているな・・・と思いますね。

ドキドキしながら霧の中を運転していると、町がいきなり登場!!!

す。。。すごい!!!

まさに、小学生の頃に読んだ「霧の向こうの不思議な町」状態。

皆そろって、ひゃ〜〜〜〜!!えー!すご!!!!の連発。
トンネルを抜けると出てくるあたりがまた感動させてくれます。

もう自然が偉大すぎて写真なんかに入り切らない!

広角レンズが欲しい!!

ジブリの世界だ!!!

 

はっきり言ってここをみた瞬間、鳥肌が立ちました。ハワイがスピリチュアルスポット、パワースポットどうのこうのという話をみんながしますが、ハワイがパワースポットならば、ここはスーパースポットなのではないか!!!!というような場所であの時の感覚をハッキリと覚えています。

 この町に入り込んだ途端に、本当に自分がいる場所が谷底だと感じ、不思議な気分に包まれます。そして、すぐに思うこと、

「どうしてこんな場所に町を作ったんだろう」

どうやら元々は奴隷制度から解放された人々、また逃げ出して来た奴隷がここに小さな家を建てたのが始まりのよう。確かに、そうでなければこのような地に家は建てないだろう・・・

しかし、ここはNUNS VALLEYと呼ばれているので、なんでだろう?と思い、Curral das Freiras とNunsの関係で調べて見ると、修道女たちが住み始め、フンシャルのフランスからの攻撃によりでてきた難民たちを住まわせたという説と、海賊から身を守るためにここに移り住んだ。という説が出て来ました。時系列が違うだけで両方事実なのかな?

今は観光地として知られているマデイラ島なので、奴隷で有名になるよりも、修道院としての歴史があった方が美しいから?(ちなみにポルトガルは黒人の奴隷制度を1番に始めた国という悪名高き歴史もあります。)

地図でみると、この谷底は島の真ん真ん中に位置しているのできっと全てが事実なのかな。ここは大西洋に浮く小さな島、アフリカとヨーロッパの中継地だし本当に色々な歴史を見て来たのだなと思いました。

ここの空気に飲まれていると、娘のご飯の時間になり泣き始めたので、この町の1番中心にあったレストランLA PERLAに入りました。

お店の名前、PERLAとはポルトガル語でパールという意味。実はマデイラ島は、「大西洋の真珠」と呼ばれているのです。

写真を見て分かるように、めっちゃくちゃ田舎なので、アジア人家族だとすんごい見られます。笑 でもベビーを連れていたので、みんな優しかった!!!ポルトガルでは田舎に行くと当たり前のように穴があくほど見られますが、嫌な感じで見てくる人はあまりいません。

ここのお店の人も英語が全く話せなくて、ポルトガル語で注文をしたのですが、英語を話せないことに対して5回は謝られました。こういうところも私は日本人っぽいと思う。英語話せなくて謝る必要は全くない!だって私たちの言葉じゃないからね!

外へでると圧巻!!!



このレストラン、めっちゃすごいところに建っている!!!崖がギリギリすぎて、え??大丈夫???と思ったほどです。こんなところで食事ができるなんて!!!なんて幸せなのだ!!!この時既に、こんな場所に存在できること自体が感激で今の世の中に感謝!と思っていましたが、このコロナで余計にそう思いますね。



景色がこの世のものとは思えないほど、すごい迫力!!!そんなこんなで興奮していると、
その中でめっちゃポルトガルのポルトガル料理が登場です!!



分かりますか?これがポルトガルの田舎の料理なのです!最近の記事で載せていたオシャレなお料理は元祖ポルトガル料理ではない!!!この見かけドッカーンな写真に映えない料理が定番のポルトガル料理なのですが・・・

これ美味しいのです!!!!チキンは1日かけて炭火焼き!!!ジュワリと出てくるチキンの脂がたまりません。

デザートには気になったパッションフルーツのムースをオーダー。



マデイラはパッションフルーツに溢れています。パッションフルーツはポルトガル語でマラクジャというのですが、この言葉を覚えた時から、なんか不思議な聞こえがする言葉だなぁと思っていました。マラクジャ・・・マハラジャ??なんだかポルトガル語って日本語で聞くと面白い言葉が多い気がします。地名のドウロとか、NOBODYという意味のニンゲンとか、それじゃ!という意味のアテジャとか・・・

話はそれましたが、このムース美味しくなかったです。
マラクジャのムースは結構当たりのことが多いのですが、今回はハズレてしまいました。
でも、メインプレート(これ定食のような感じ)がとっても美味しかったので満足でした!!

くどいですが目の前に広がる景色がスゴイ!



今回私がマデイラ島で一番感動した場所、Curral Das Freiras 
自分は今とてつもない場所(谷底)にいるんだ!と感じることができる場所です。本当に、人間が作り出す世界も、自然が作り出す地形も本当に偉大だ・・・と圧倒される場所。私たちがいたときは霧がかっていたのもあり、雰囲気で言うと、マチュピチュとか、南米のような雰囲気を醸し出している場所でもありました。

マデイラ島へ来たら絶対に、クラル・ダス・フレイラスへ行ってみてくださいね。観光客も思ったほど多くはなかったので、不思議な雰囲気や、なんだか隠された場所を見つけてしまった感を大いに体験できる場所だと思います。

この近くのもう少し登ったところにある Eira do Serradoという場所へ行くと、上から町が一望できるので、そのほうがどんなにすごい場所にこの集落があるか分かるので行ってみるのもオススメです。

それでは、皆さんが私がここで感じた鳥肌を感じてくれることを願っております!


>>>>>美味しいポルトガル商品はこちらから

【ブログ一覧へ戻る】
  
今回紹介した谷底のレストラン La Perla はこちら
 
  
Profile
筆者:アヤナザ

10代の頃からフランス、オーストラリア、ブラジルと様々な国々にて10年ほど海外生活を送った後、いわゆる西洋文化の中ではポルトガルが日本人に1番合うと確信。ポルトガル移民が多いブラジルはクリチバに在住中、ポルトガルと出逢い、2014年ポルトガル食品のインポーターに。
ポルトガル語、英語、日本語の3ヶ国語を話す。1児の母。趣味は茶道とフルート。

最近は「ZEN」と「マインドフルネス」について調べるのが好き。