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アヤナザのポルトガル通信

第35回:ポルトガルとスペインの国境の町


2021.06.05

今週のポルトガルの記事はスペインとの国境の町「エルバシュ」に行った時に入った教会

Igreja de Nossa Senhora da Assunção

についてお届けしたいと思います。

でました・・・。またまたカタカナ表記にできないポルトガル語。ノッサ・セニョーラ・ダ・アスンサオン教会にしようかな。アスンシオンが近いような・・・。ここはGoogle先生の表記通りにアスンサオン教会で行きましょう。ポルトガル語はカタカナにしにくい言葉が多くて本当に困ります。笑



コロナが始まる1番最後に行ったポルトガルの写真は色々と見てしまうと胸が痛みますね。この写真は、エルバシュのレプブリカ広場。この時でさえ結構人がいなかったから、今なんて本当に誰もいないんだろうな・・・と心配になったり。



さてさて、この町エルバシュはスペインとの国境の町ということで、内陸部で田舎ながらも色々と面白いものがあります。以前書いた空から見ると星型の要塞も、イベリア半島最長の水道橋も。

こんなに小さな町なのに、立派な建築物などがたくさんありなんでだろう?と思い色々調べていたのですが、やはりスペインに近い場所なので、その昔ポルトガルとしては大変重要な押さえておくべき町だったのだと分かりました。この町にいると、ポルトガルが大国スペインから自分たちの領土を守るためにどれだけ一生懸命だったかが良く分かります。あとこの辺りは、イスラム教VSキリスト教の争いの時も色々あった場所だったようですね。

みんながご存知フランシスコザビエルがいたように、ポルトガルは昔からキリスト教で、今もほとんどがキリスト教徒の国ですが、途中下からイスラム教に制圧されて行った歴史もあるのです。

そんな、内陸部で田舎でありながら、たくさんの歴史的建造物があるエルバシュは観光に力を入れて行こうと頑張っているようで、観光客を迎え入れるように作ったような大きな「I love Elvas」というサインなどもありました。



ちなみに私はエルバシュが大好きです。ポルトガルの田舎が大好きで、スペインに近くにつれて雰囲気が変わって来るポルトガルも大好き。

ノッサ・セニョーラ・ダ・アスンサオン教会に到着した時間にはちょうど教会が閉まっていたので、一緒になったスペイン人の老夫婦と階段のところでお話をしながら待つことに・・・。どうやら彼らは娘に釘付け。自分もちょうどおばあちゃんになったところだと言って、たくさんの自分の孫の写真を見せてくれました。

話はズレますが、アジア人の子供や赤ちゃんはポルトガルではかなりチヤホヤされます。物珍しさで寄ってくるのはもちろんあるのですが、なぜかアジア人の赤ちゃん可愛い説みたいのもポルトガル人の中にはあったりします。そのためか娘は色々なところで追い回されたり、抱っこを勝手にされたり、どこかのおばさんが手をつないでいたり、ヒヤヒヤすることがポルトガルでは何度もありました。

ここでも、スペイン人のおばさんは、教会が開いたと言うのに教会は見ずに、ずーっと娘を追い回してばかり。あれはお花だよ〜!とかあれは窓だね〜!などとずっと説明していて、教会は見なくて良いのか?と私が思ったほどです。笑

子供と触れ合いたくて善意でやっているのは分かりますが、これで何かあったらたまらないので、娘にばかり気を取られていて、せっかくの誰もいないゴシック様式の教会だったのに、上手く見れなかったというオチもあります。笑 (ヨーロッパは実際子供の連れ去りも多いので。)

さてさてそれでは早速立派なノッサ・セニョーラ・ダ・アスンサオン教会の中を。



1537年に建てられ、出征する兵士が無事に帰還する事を祈る場所だったようです。なるほど・・・やはり国境の町と言うのはそうなるのですね。日本は国境の町がないので、色々なイメージがつきにくいですが、残された家族や友人は祈ることしかできなかったと言うのはどの国も、どの戦いも同じですね。

後ろにあるパイプオルガンが気になる。



やはりリスボンの教会に比べると、規模や豪華さなどは劣りますが、私はこれぐらいの規模の教会が大好き。あのひんやりした感じも好きですし、それを感じるほど人が少ないのももっと好き。

天井を見上げて、ゴシック建築のリヴ・ヴォールトを観察。ポルトガルにいるとなんて事のない建築ですが、日本にはないため、ここでしっかりと堪能。しかし、この時コロナが起きると知っていれば、もっとずーっと観察していたのに・・・なんてね。

よくよく解説を読んでみると、ここの教会は元々はゴシック様式で建てられていましたが16世紀の改修でマヌエル様式になったようです。マヌエル様式と言えばあのリスボンのジェロニモス修道院が有名な建築ですね。



15世紀に造られた後に改築が行われているようですが、ここまでのクオリティの建築物を見られるのは素晴らしいですね。修復もミニマムでされている感じが嬉しい。

アレンテージョやポルトガルの内陸部にあるパイプオルガンはいつも見てしまいます。というのもエヴォラの天正遣欧少年使節が弾いたと言われるパイプオルガンを見て以来、もしかしてこっちも記述が残っていないだけで、弾いたことある日本人がいるかも?とか思ったり。ロマンですね。



こちらは教会のなかにあったアズレージョ。ポルトガルのタイルです。その教会によってアズレージョに描かれているものは違い、王様が戦に行く姿だったり、マリアの絵だったりが多いのですが、この教会ではパターンのアズレージョがたくさんありました。実は私はこの黄色とブルーの組み合わせが大好き。

ちょっとチグハグですが。娘は例のスペイン人ご夫妻に帽子を被せられてこのアズレージョの前で踊っておりました。



スペインから12キロしか離れていない町とあって色々な場面で重要視されてきた町エルバシュ (Elvas) 。この地で色々な戦いがあったのだなぁと思うと心苦しくもあり、この教会でたくさんの残された人たちが戦いへ送られて行った人たちの無事を祈っていたと思うと心に響くものがありました。



この写真はエルバシュを囲む、イベリア半島で一番長いと言われている水道橋。



迫力があり、なかなか圧倒されますし、この水道橋を通ったところで車を止めて写真を撮っていたのですが高校生などがたくさんいて、普通の生活にこのように水道橋があり、15世紀から残る建築物を普通に見て日常生活を送りながら育っているポルトガル人のキッズたちはどんな感性の持ち主なんだろうなんて思いました。私のポルトガル人の友人はほとんどリスボンっ子かポルトっ子なので。

大好きなアレンテージョ地方はもっともっと知ることが多そう!!!今日はエルバシュの記事でしたが、次は違うエリアの記事を書いてみたいと思います!

それではみなさま、良い週末を!!!
 
来週、6月8日(火曜日)朝8時から
またKMIXさんのアンコールマスターに出演しますので、静岡県の方みなさん聞いてくださいね〜!

旅行ができない今、どんなことができるかな?と思いお家でできる串刺しレシピを考案しました!



ポルトガル調味料マッサをベースにして応用編として作った、「Tempero Doce」で作ったポルトガル料理のエスペターダは、なかなか自分では出せないポルトガルの味の調合を現地してしたモノを、日本に連れて帰ってきたヒトビンです。ポルトガルらしいハーブとパプリカの香りがお口の中に広がって、一気にポルトガルの気分に浸れますのでぜひお試しあれ〜!

パプリカ&ハーブの調味料:700円(税抜)
 


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Profile
筆者:アヤナザ

10代の頃からフランス、オーストラリア、ブラジルと様々な国々にて10年ほど海外生活を送った後、いわゆる西洋文化の中ではポルトガルが日本人に1番合うと確信。ポルトガル移民が多いブラジルはクリチバに在住中、ポルトガルと出逢い、2014年ポルトガル食品のインポーターに。
ポルトガル語、英語、日本語の3ヶ国語を話す。1児の母。趣味は茶道とフルート。

最近は「ZEN」と「マインドフルネス」について調べるのが好き。