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アヤナザのポルトガル通信

番外編:日本ポルトガル協会 寄贈エッセイ 2021年3月



日本ポルトガル協会 寄贈エッセイ 2021年3
 
 

「ポルトガルは訪れた人みんなが惚れる国」
 
そんな噂をよく聞く国に私たち自身も惚れこみ、ポルトガル食材バイヤーとして夫婦で会社を立ち上げてから早7年。この度、N H Kの人気番組「世界はほしいモノにあふれてる」にて、ポルトガルの魅力を発信させていただけるチャンスをもらいました。
 
「ポルトガル」ということで会員の方は見てくれた方々も多いのではないでしょうか。本日はそんな「せかほし」のちょっとした裏話をこちらで少しだけ書かせて頂けたらと思います。
 
元々はポルトガルへJ U J Uさんと一緒に行き、案内する予定だった今回の企画。そんな夢のような話は色々な前代未聞の予期せぬ出来事に打ち壊されてしまい、番組の方向性は度々変わっておりました。そのため正直、今回の出演は最後の最後まで「結局取り消しになるのではないか」という不安と共に進行。
 
私たちとほぼ同時進行で、他の国の撮影をしている班が途中まで撮影していたロケをコロナの兼ね合いがあり中止せざるをえなくなったという話をディレクターさんから聞いた時には、やはりポルトガルも情勢が厳しいし、撮影終了まで漕ぎ着けれないかな・・・という思いがずっと頭の中をグルグルしておりました。
 
寸前までは私たちもポルトガル渡航を希望していたのですが、最終決断で「ではポルトさんは日本からの出演で行きましょう」と言われた際には、私たちの日本の風景を追っても何も面白くないのではないか?海外を歩くから面白い番組なのにどういったポジションで出ればいいのだろう?という不安で本当に冷や汗が止まらなかったのを鮮明に覚えております。
 
日本国内での撮影が始まるも、国内でもいつ緊急事態宣言が出されるか分からない状況下で着々と進められていた今回の撮影はまさに綱渡り。そんなこんなでスタジオ収録までなんとか終えて一息をついたところで、緊急事態宣言が出されたのが今年の年始のことでした。
 
そして迎えた放送当日。朝からオフィスでも家でも私たちのソワソワは止まりません。放送は事前には見せてもらえなかったので、「もう今からどうすることもできないのだから」という自分を落ち着ける思いと「これならやらない方が良かったという出来栄えだったらどうするのだ?」という不安を掻き立てるような思いが頭の中をループ。どうなることかと思いながらの放映でしたが、結果は見事に大成功!たくさんの嬉しい反響もいただき、あの日から本日まで「光陰矢の如し」状態で経過しております。
 
自分たちが見ても感動してしまうほどのポルトガルの美しさや、ポルトガル料理の美味しそうな食材達、見ているだけで自分たちでさえワクワクするほどの番組に嬉しいなと惚れ惚れ見ていましたが、一方で画面を通して見るポルトガルの友人はどことなく遠くに感じました。コロナなんという疫病に悩まされるなんて最後にポルトガルに行った時には思ってもみなかった。本当に人生は一寸先は闇だなと思ったのも事実です。
 
この素敵な番組ができたのも、全て聡明なディレクターさんの力なのですが、ポルトガルという国の美しさ、ポルトガル料理の美味しさ、そしてポルトガル人の優しさが大前提に存在したからだと思っております。
 
今回の「せかほし」から、少しでも今渡航することができないポルトガルを感じていただけたならば、そして日本にポルトガルという存在を届けることができたならば、私たちとしてはそんなに嬉しいことはありません。以上、ポルトガル 協会のメンバー様限定での「せかほし」の裏話でした。


 
ポルトドポルト
齋藤 絢香

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Profile
筆者:アヤナザ

10代の頃からフランス、オーストラリア、ブラジルと様々な国々にて10年ほど海外生活を送った後、いわゆる西洋文化の中ではポルトガルが日本人に1番合うと確信。ポルトガル移民が多いブラジルはクリチバに在住中、ポルトガルと出逢い、2014年ポルトガル食品のインポーターに。
ポルトガル語、英語、日本語の3ヶ国語を話す。1児の母。趣味は茶道とフルート。

最近は「ZEN」と「マインドフルネス」について調べるのが好き。