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アヤナザのポルトガル通信

第38回: ブサコパレスで五感を刺激されるディナーを


2021.07.17

ポルトファミリーの皆さまBoa tarde! 本日はポルトガル通信の日です!

前回の記事でブサコパレスのことを書いたところ、いつも以上に反響やコメントがあり、とても嬉しかったです。このポルトガル通信は、ポルトのウェブサイト内で密かにポルトガルファンの方々のためだけに更新されているニッチなブログなので、コメントをもらえたりするととっても嬉しい私でございます。

以前、ここのホテルの話をした時にはなぜか反応が悪く「汚かった」「不便だった」という声が圧倒的に多く少し悲しかったのですが、今回のブログへのコメントは「素晴らしい経験となった」という声が多く、共感してくださった方々が多いことに大変嬉しく思いました。

ここのパレスは、私からしては偉大な自然、歴史、文化がこれでもかというほどに詰まっていて、畏敬の念を感じられずにはいられないような神聖な場所だったため、その片鱗を少しでも感じ取ってくださった方々には感謝でいっぱいです。

さて、本日のそんな大自然の中にあるブサコパレスホテルへ戻ります。先週ブサコホテルについて詳しく書いたので、本日はブサコホテルで食べたディナーを。コメントにもあった通り、こちらのレストランと食事が最高だとの噂を聞いてやって参りました。

第二次世界大戦中には超高級ホテルとして存在していたここのブサコパレス。スパイの情報収集場所としての役割もあったのですが、そのためか当時はトップシェフが集合していたとか。今はそんなことはなくカジュアルで泊まりやすいホテルなのですが、それでもディナーはとっても楽しみでした。

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前回の記事で、階段にいる護衛兵が怖かったと書きましたが、護衛兵の目が光っている写真を見つけたので、すかさずアップロードを。日中であっても人とすれ違うことがあまりないこの歴史の詰まった偉大な城の中。そんな中を平凡な日本人が1人トコトコ歩いているという、ちょっとした異常な光景に息を呑み込みつつ、護衛兵の前をドキドキしながら通り・・・

例の素敵なロビーのような、ゆっくりするような場所を越して食事の場所へ。

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ここを越えると、いかにも社交パーティーが開催されそうな場所が出てきて、そこが夕食会場となります。ちょっと古くなった家具がポウザーダ感やオーセンティックな雰囲気を出していて私は大好き。

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なんというか、何世紀か前には世界の偉人が集まっていたこともすごいし、身近な人だと天皇も来ていた場所に自分が来ている思うとやはり圧倒されます。(身近なんという表現は間違っていますが、ご察しを。笑)

ディナースペースはこじんまりとしつつつ雰囲気は良い感じ。パシャパシャとても写真が撮りにくいほどの場所ということはすぐに分かったので、日本人やアジア人のレピュテーションを崩さないためにも、皆様の雰囲気を崩さないためにも写真は控えたので、会場の写真がありません…

しかし、朝食の時に同じ部屋を利用し、その時にはもう少しカジュアルだったのでその時に撮った写真をこちらにお裾分け。

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な・・・なんという彫刻!!!大航海時代を思わせる彫刻に圧倒されます。マヌエル様式の再現として傑作だと思います。

ここの会場が暗くなってキャンドルがテーブルに置かれ、クラスック音楽が流れているバージョンが夜の雰囲気です。素敵な空間を想像できたでしょうか?この写真は、朝なのでカジュアルでしたが、夜はなかなかの雰囲気でした。

朝は爽やかな感じとは違い、夜は少し重くとってもお洒落で、昔の時代にタイムスリップしたかのような感覚に陥ります。

しかし、正装はしなくても良かったのがまた居心地が良かった。私たちは外のテラス席に通されたのですが、これがまた風が心地よく、なんて素敵な場所にいるのだろうというたまらない空気を感じさせてくれました。

また写真がないため、申し訳ないのですが、下の写真の右下部分にあるパティオ?のような場所が私たちが夕食と朝食を食べた場所です。とても小さいながら、その分特別な感覚を味わえます。

アップにするとこんな感じでとにかく、建築物に圧倒されます。この美しい彫刻と建築を見ながらディナーを食べられる日が来るとは思いもしなかった。お城中に珊瑚やロープ、天球儀など大航海時代が感じられるものが溢れていて、その彫刻を見ながら食事ができるなんて優雅だ。身分不相応極まりないと思いつつ、細かいところを見てどっぷりと再現されたマヌエル様式を堪能して来ました。

しかし、こんな対策を既に作り出していた人々を大航海時代に受け入れた日本人はどう感じたのだろう。圧倒されたに違いない。

さてさてそれでは気になるお料理を。このレストランの同じテラスでディナーも朝食も食べることになるのですが、今回のお料理はディナーを少しだけ。

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主人はメインにポルトガル料理の定番である鴨のライス「Arroz de Pato」を注文。

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私はこの土地の郷土料理である、大好きなレイタオン(子豚の丸焼き)をオーダー。レイタオンについては以前もっとも美味しかったものとして記事にしたことがあるので、こちらを覗いてみてください。(第16回:ポルトガルの恋しい食べ物レイタオン

どちらもポルトガルの定番料理なのですが、出てきたフォームがポルトガル定番のメニューと違いすぎてビックリ!!!!レイタオンは大好きで何度も食べているのですが、ここで食べたものが1番美味しいと思うくらいとても柔らかく同時にジューシーでアーティスティックで美味でした!(雰囲気に自分の気分がやられたのも多少あるでしょう。)

そして鴨のご飯「Arroz de Pato」も、出てきた時には斬新すぎて、というかポルトガルの定番料理のフォームとか違いすぎて、え?これは私がオーダーしたものなのか?と思ったほどでしたが斬新でいつもとは違うのだけど、しっかりポルトガルらしい味は残していて美味!!

ここはパレスで作っているハウスワインもあり美味しくて有名。レストランの素敵な雰囲気、ポルトガルの夜風、美味しいアートな料理と五感が満たされ、この上のない幸せに包まれたのは言うまでもありません。

余談ではありますが、ポルトガルの食の良さはカジュアルで気取っていないことにあると思います。日本やフランスで食べるコース料理に比べたら、この写真に出てくるお料理などどうってことないように見えますが、これをポルトガル料理に変換するだけで、一気に食べ物が違うものに変身するのです。ポルトガル料理は基本的にいつも写真でも見せているように、ドドーンと鍋で出てきたり、豪快な見た目が多いだけに、このようなプレートには驚きを隠せなかったのかもしれません。(ということで、ポルトガルにはフレンチ料理を想像して行ってはダメですよ!)食器が少々古いのが、また味が出ていて好き。

お洒落なフランス料理も大好きですが、ポルトガル料理には全く違った良さがある。こんなに素敵な昔にタイムスリップできる夢のような場所で、気取ることもなく、人にSHOWOFFする必要もなく、ただただ中世のヨーロッパの城に想いを馳せながらポロシャツでも食べられるポルトガル料理に完全な中世の世界に呑み込まれ、本当に畏敬の念に包まれた夜となりました。

最後に持論ですが、ポルトガル料理はカジュアルな格好と雰囲気で食べた方が美味しい気がする・・・。

以上、ポルトガル好きなあなたに送る不思議な夜のストーリーでした。
それではみなさん、また来週!


今週は新しいレシピを提案しましたのでぜひチェックして見てくださいね!!!



今日の新しいレシピは地中海らしいハーブとレモンを使ったソースとグリークヨーグルト を混ぜて作ったチキン。ヨーグルトの酸味とハーブ&レモンがあなたをポルトガルへ連れて行ってくれますよ!

レシピはこちら!
使ったソースはこちら!

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Profile
筆者:アヤナザ

10代の頃からフランス、オーストラリア、ブラジルと様々な国々にて10年ほど海外生活を送った後、いわゆる西洋文化の中ではポルトガルが日本人に1番合うと確信。ポルトガル移民が多いブラジルはクリチバに在住中、ポルトガルと出逢い、2014年ポルトガル食品のインポーターに。
ポルトガル語、英語、日本語の3ヶ国語を話す。1児の母。趣味は茶道とフルート。

最近は「ZEN」と「マインドフルネス」について調べるのが好き。