- ホーム
- 第43回:美術館のようなポウザーダ Hotel Convento de São Paulo
アヤナザのポルトガル通信
第43回:美術館のようなポウザーダ Hotel Convento de São Paulo
2022.06.21ポルトガル現地の友人たちは完全にコロナが終わった様子。
生活も普通に戻っていますし、何より色々な国に旅行も普通にしております!
嬉しい兆しですね!
さてさて、そんなこともあり、本日は素敵なポウザーダをご紹介!
もしかしたら、みなさんが行ける日も近づいてきてるかも?と思い誰かのお役に立ちたく記録してみようと思います。
ポルトガルと言えばポウザーダ!
ポウザーダとは修道院やお城などの昔ながらの建物を改修して宿泊施設にしたもの。
ポルトガルのあちらこちらにあるのですが、どこも歴史的な建物ばかりなので、泊まりごたえアリのホテルです。
何回かポウザーダはこのブログでも紹介していますが、今回泊まったのは、
ポウザーダ コンベント サンパウロ
Hotel Convento de São Paulo
サンパウロ修道院ホテルです。
場所はEstremosと Redondoの間にある Serra d'Ossa というエリアにあります。
サンパウロというと、ブラジルのサンパウロ?と思うかもしれませんが、聖パウロ(ポール)という意味なので、
ポルトガル語圏では、割と色々なところにある地名や施設名です。
ここは大自然アレンテージョの中に存在するポウザーダ。アズレージョが素晴らしく、施設自体が美術館というような場所として有名だったため、来る前からドキドキしていました。ミュージアムとしても解放しているよう。
途中来るまでの道も、どんどん田舎に進んでいくため、周りの景色に圧倒されての到着です。
入り口から立派なアズレージョがお出迎え。修道院をそこまでいじってないので、入った瞬間から迷路のようです。どこにレセプションがあるかもなかなか分かりませんでした。
修道院らしい厳かな雰囲気に包まれた建物。入った瞬間にひんやりとするポウザーダは少し緊張してしまいました。
他のポウザーダではホテル色が強いところもあるのですが、
ここはなんとも修道院らしさが残っている場所。
お客さんにもあまり会わないし、ホテルの人もウロウロしているわけではないので、
何故か入っては行けない場所に入っているような気分にさえなるようなエントランスでした。
早速小さなレセプションで受付を済ませ、部屋に向かったのですが、廊下が・・・長い。
そしてどこまでも続くアズレージョ。興奮でなかなか部屋に辿り着くことができません。
部屋は40部屋ほどあるようですが、予約が大変なわけではありませんでした。
1182年に建てられたこの修道院。
当時の僧侶たちに静かな場所で祈りながら暮らすのに最適な場所だと考えられて、
このような周りに何もない場所に建てられたそうです。
アレンテージョの真ん中であり本当に周りに何もない。邪念を取り払うのには最適な場所だったのでしょう。
もしくは、秘密を隠す場所にも最適だったのかも??なんて妄想も膨らんだり。。。
アズレージョは当時あった出来事や、英雄のストーリーなどを描き出しているものも多いのですが、
ここは修道院。ということで、宗教系のストーリーがどこまでも描かれております。
ここのアズレージョは54000枚のタイルからできていて、プライベートコレクションでいうと、
ポルトガルで最も多いアズレージョのタイルの数を誇ると書いてありました。なるほど。
個人所有というか、公的機関ではない場所の中(駅や教会など)では、ポルトガルの中でここが一番アズレージョが揃っているらしいです。そしてここにあるタイルはほとんどが特注らしい。
ここはホテル内にある教会。
レセプションから部屋までは、毎回ここの教会を通って行きます。
私たちはカトリックからとても遠い存在なので、この建築物を見て、ただ単純に美しい!
と思うだけですが、カトリックを含め色々な宗教は昔からスキャンダラスなことばかり。
アメリカ人やカナダ人、またはヨーロッパのリベラル軍団からすると、ちょっと嫌悪感を感じることもあるようですが、
芸術品として純粋に見る分には大変美しかったです。
手入れがやりすぎてない分、リアルさが伝わり、ゾクゾクします。
ポルトガルの教会はいつもこんな感じで中央に芝生の中庭があり、その周りを回廊が囲んでおります。
レセプションはここにあるのですが、ここを通る時も常にドキドキ。
レセプションに到着しても、誰もいないことがあり、
呼びベルを押してから、なかなかスタッフの方が来てくれないと、お腹がヒュンとなるくらい緊張します。
ただただ怖い。
何よりも夜は全体的に薄暗くなるので、その暗さ加減が本当に怖い。
ポウザーダに泊まる度に全く同じことを書いているのですが、ポウザーダの夜って厳かを通り越して怖い・・・
人もいないし、薄暗いし、何よりも、ここで事件とかあったかも?と思うのと、
人が祈る場所は色々なスピリットが残っていそうで変なことはできないし、背筋がゾクゾクします。
そして宗教らしい壁画やアズレージョなどがより一層、自分を迷宮入りさせそうな雰囲気を醸し出していて緊張する。
ここだったら、異次元トビラを間違えて開けてしまいそうな気がして、いつも夜は早足で廊下を駆け抜けます。
想像力豊かな私のようなタイプにはポウザーダの夜は肝試しレベルですね。
廊下中に響き渡る自分の足音が毎回頭に突き刺さるように響きます。
しかし、こんなに怖さを感じるほどの歴史的なものが未だ残っていて、しかも簡単に泊まれるポルトガルはやはり最高。
普通だったら入れなかったような場所に日本人である私たちが入ることができて、さらに泊まることもできるなんて、
ポウザーダは本当に夢のような場所です。
ポルトガルがもっと人気な国になってしまったり、これからもっと世界情勢が悪化して行くと、
こういうところも行けなくなってしまったり、何らかの規制がかかるかもしれないので、
不安定な世の中になってしまった今、行けるときに行くのが一番だと強く思いました。
みなさんもぜひポルトガルに行かれた際には、ポウザーダに泊まってみてくださいね!
(怖がりの人はポウザーダの探索は断然、昼間がおすすめです!!!笑)
歴史好きな人は特に感動すること間違いなしですよ。
以上、誰かの役に立てればいいなと思い残したポウザーダ記録でした。
【ブログ一覧へ戻る】
10代の頃からフランス、オーストラリア、ブラジルと様々な国々にて10年ほど海外生活を送った後、いわゆる西洋文化の中ではポルトガルが日本人に1番合うと確信。ポルトガル移民が多いブラジルはクリチバに在住中、ポルトガルと出逢い、2014年ポルトガル食品のインポーターに。
ポルトガル語、英語、日本語の3ヶ国語を話す。1児の母。趣味は茶道とフルート。
最近は「ZEN」と「マインドフルネス」について調べるのが好き。