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アヤナザのポルトガル通信

第64回:景観保護区の小さな村Piódão


2024.04.24

本日紹介する町はポルトガルではとっても有名で独特な村「Piódão」です。
景観保護区とされているセーラ・ド・アソール(Serra do Açor)にある小さな小さな村。

ピオダオンは秘境とされ保存されている村なのですが、何しろポルトガルは現在ツーリズムバブル。
細い山道に渋滞が起こり、あちこちに車が路上駐車され、崖から落とされやしないかとヒヤヒヤした運転でした。
数年前に友人から聞いていた静けさは無く、全く違う雰囲気。

日本の田舎もこんな感じで瞬く間に観光地化されて行くのだろうなぁと思ったり・・・

ここにいる観光客はほとんどがポルトガル人かスペイン人かフランス人という近隣の国々の人でした。



なかなか物語ちっくな雰囲気を醸し出す村。
ポルトガルのこういう村を訪れる度に、どうしてこんな山間に村など作ったのだろうと思わずにはいれません。
ここまで保存できているのもまた素晴らしい。

村は山肌に所狭しと家々が建てられているため、階段でいっぱい。
なかなか村の全体を見渡せる場所には辿り着けないほどに圧迫感があります。
ここで踏み外して落ちたら最後・・・という恐怖感と共に階段を登って行きます。



そんな中、やっとの思いで見つけた
今回のランチのレストランは
Casall Piodam 



こぼれ話ですが、どうしても家族でポルトガルの田舎へ行くと凝視されがち。

今までは自分だけだったので慣れていたのですが、
ここでは家族で入店と同時にほぼ全員に振り向かれる羽目に。

最近はこんな感じで見られることを娘が嫌がるようになったため、
レストラン入店後すぐに周りの人々と話すように心掛けるようになりました。

すると、みんなアジア人の子供が可愛くて見ていたり、
どうしてここにいるのかと気になって見ていたり、
困っていることはないかと見ていたり、単純に興味があって見ていたりと悪気がない人が多いことが分かるようになりました。
(※一部のアジア人差別者を除いては)

今までは5歳の娘に、人種差別や人々の意識や考え方などどこまで説明しようかと色々と悩んでいる日々でしたが、
娘にもしっかりと目の前で説明して証明し、納得させることができたので、ホッとしました。

ポルトガルではなくてもどこかでアジア人だということで凝視される経験をしたらこの方法を是非試してみてください。

ポルトガルだけではないですが、ヨーロッパでは周りの人との気軽な会話をよくするので、
そこで色々な事を知れたり、思わぬ情報をゲットできるかも知れません!



さて、それでは話はお料理に戻して、定番のオントレからスタートです。
最初はオリーブとパン。
バターやチーズなどは一緒に出て来ずに欲しければ個別に頼むスタイルだったので、今回は頼みませんでした。
それでも我が家の場合は十分。

ここでは、お店から「娘さんの分は何か準備しますか?」
と聞いてくれたので、なんでも良いので子供用のスープをお願いします!と言うと
にんじんスープを出してくれました。



スレスレのモリモリ!!!
これぞポルトガルスタイル。
よくこのお皿をこぼさないようにして席まで持ってきてくれたなと逆に感心。

普通のレストランで子供用の食べ物はこれが1番の策。
キッズメニュー的なものはあまり存在しないので、「何か子供用に作ってくれますか?」と聞くとすぐに対応してくれます。
子供は最初に出てくるパンと適当に作ってくれるポルトガルスープで毎回、大体満足!
おすすめです。

ここでは、郷土料理を食べたいなぁと思っていたのですが何せ山奥なため食材が限られてくるらしい。
郷土料理というか家庭料理のようなものならあると言われ、
おすすめの牛頬肉の煮物を頼みました。



牛の頬肉はポルトガルでは色々な田舎で食べることができるのですが、
それぞれのエリアごとに味付けが微妙に違っていて面白い。
どこもお肉がホロホロになったものはじゃがいもと合うため美味しく感じます。

プラスでテラコッタに入っているともっと良い感じ。
仲良くなったポルトガル人家族とお別れをして、
美味しいお料理に満たされた後は、町の探索です。



しかしポルトガルっていうのは本当に面白い村が出てくる出てくる。
歩いているだけで、よくもまぁこんな村が現在まで存続できたなぁとただただ感心してしまいます。

ここは青いドアに統一されていて村のアクセントになっているのですが、その理由は
最初にあった家が青色のペンキしかなかったからだそう。
確かに、ここまで人里離れたところだとペンキを買うのも一苦労だなと・・・
そして、その理由を正直に言うところをまた微笑ましく思いました。



ここは特に歴史的に大切な場所ではないのですが、
14世紀にはポルトガル王ペドロ1世が愛したイネス・デ・カストロを殺した人もこの村に身を潜めていたそう。
やはりかなり古い村ですね。

そしてこんな小さな村でさえ、Nossa Senhora da Conceiçãoを祀った教会があるのを見て
信仰心というのは本当に人間にとって大切だったのだなぁと感じました。
最近は宗教の悪いところばかりに目が行きがちですが、元々は人は宗教に支えられていたのだなと感じる場所でもあります。

モノにも、情報にも、全てに溢れている現代の私たち。
ケータイのコネクションも弱くなり、昔の時代にコネクトできるような気持ちを体験できる秘境
ポルトガルに行かれた際には絶対に行ってみて欲しい村の一つとして紹介させてもらった
今回の村Piódãoでした。

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