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アヤナザのポルトガル通信

第5回:オリエンテ駅の建築
と万博エリアParque das Nações


2020.06.12

リスボンの玄関口と呼ばれるオリエンテ駅はみなさまご存知の方も多いのではないでしょうか。
万博の際に建てられたアートな駅で、新しいエリアParque das Naçõesにあります。
こんな斬新な駅!



しかし、私の目から見ると、ここはあまりツーリストがいなく、街中からは少し離れたエリアにあるので、意外と見たことが無い方もいるのではないかな?と思い今日はこの記事をピックアップ!

さて、ここの場所を簡単に私の言葉で説明すると、リスボンのちょっと気取った場所というか、アメリカ的な場所と言うか、
まぁ新しい場所ですね。

ビジネスマンとかがケータイ片手にウロウロしているようなオフィス街を想像してください。
ポルトガル人の友人に言わせると、ここは「中国人が好きなエリア」だとも。
このエリアは少し前までは何も無い土地だったのですが、万博と共に開発されて、たくさんのリッチチャイニーズがここの土地を買いにやってきたそうです。

なるほど。

アジア人ってこういう新しく綺麗な場所が確かに好きですよね。
日本人も全般的には好きだと思いますが、ポルトガル好きの日本人は違う感じがします。
ここ、万博の前までは本当に何もない土地だったのです。

さてさて、最初に駅にスポットを当てて説明すると、
この駅は万博の時に創られたたくさんの建築物の中のトップを行く建築物。
建築を勉強している人が見にくることも多いのだとか。

うん。私から見ても面白い。



しかし、残念ながらここの建築家はポルトガル人ではなくスペイン人建築家のSantiago Calatrava Vallsという人でした。
やはりスペイン人は建築系は強いですね。

1998年に建てられ、ブルネル賞というヨーロッパを中心とする世界各国の鉄道コンペティションも獲得するほどの建築。

素晴らしいですね。

この駅はヴァスコダガマショッピングモールへ繋がっています。
ヴァスコダガマショッピングモールは、交通の便が良いためか、学生やサバーブからやってきたっぽい人々がたくさん。

さて、次は中はどうなっているかをご紹介。
アーチ状になった天井が面白いですが、その下にあるたくさんの本が興味をそそる!



そしてここが私の毎回のお気に入り本コーナー。
私が勉強してきた本は全てブラジルポルトガル語なので、ポルトガルにいる時は貴重なポルトガルのポルトガル語で書かれた本を買うのが趣味なのですが、
ここで電車を待っている時に、色々な本を探したりするのがとても面白いのです。

結構古い本が隠れていたりするのもポイント。



そして周りにはちょっと東南アジアみたいな露店があったり、カフェがあったりします。

話は少しズレますが、フィンランドでアアルトが設計した本屋を見た時に感動したのですが、
こうやって上から本と全体像が見下ろせる場所って本好きにはたまらないですよね。



これに、あの本の紙のにおいがしてきたら完璧。

この駅を利用する時にいつも思うことなのですが、
プラットホームがめちゃ分かりにくい!!!シンプルに分かりにくいのです。
そしてエレベーターのスピードは亀が怒るほど遅く、デザイン重視で小さいガラス張りなので、
ベビーカーを持って3人で入るともうパンパン。

もちろん他のベビーカー持ちの人もたくさんいるので、譲り合っていると日が暮れます。
ここはアメ〜リカではないので譲り合いますが。

と言うことでスーツケースなどの荷物が多い人は要注意です!!

登って行ったところにやっと出てくるプラットフォームの雰囲気はこんな感じ。



やはりいい感じ。
この余裕があるアートな建築物が日常に溶け込んでいるのが個人的に好き。



そしてまた、この古い感じがポルトガルらしい。
ここに日本の新幹線があったら、もっと雰囲気が違ったと思いますが、
近代的な建物なのにしっかりポルトガルらしいレトロ感を出してくれている辺りが最高ですね。


それでは次は、この辺り Parque das Nações のエリアには他にはどんなものがあるかをササッとご紹介。
リスボンと言ったらアルファマの景色やシアードなどがすぐに頭に浮かぶことが多いと思いますが、
ここはこんなに近代的なエリアなのです!
なんどもうるさいですが、リスボン万博の時に開拓されたエリアなので。

これは何の支えもなしに吊る下げられている1枚板の建築で結構感動。



普通に建っているけれど、結構すごいと個人的には思っている。奥にはロープーウェイも見えます。

これは大航海時代を連想させる船の形をしているParque das Naçõesの象徴的なマンション。
めちゃ高く、全部屋から海が見えるようになっております。



ここら辺は車が少なく、オープンテラスの素敵なレストランが結構並んでいるところです。
友人もここでレストランをやっているのでよく行くのですが、シャレオツな人がいっぱいいますよ。



結構ポルトガルの有名人や政界の人もウロウロとしています。
遊歩道もこんな風に一つ一つが近代的で余裕がある感じ。
それにいくつかのエリート学校もここら辺にあります。



みなさんが想像してるオレンジ屋根のリスボンとは全然違うと思いますが、これもリスボンの顔です。
良いことは空港から近く、遠くにも行きやすいし、何かと便利なことです。
他のリスボンの道より歩きやすかったり。笑

新しいエリアのため観光映えはしない場所ではありますが、美化されていないリスボンの生活が見えるので行ってみても面白いのでは?と思います。
オリエンテ駅を利用する時はぜひ建築に注目をして、リスボンのちょっと違った顔も見てみてくださいね。




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今回紹介したオリエンテ駅はこちら

 
Profile
筆者:アヤナザ

10代の頃からフランス、オーストラリア、ブラジルと様々な国々にて10年ほど海外生活を送った後、いわゆる西洋文化の中ではポルトガルが日本人に1番合うと確信。ポルトガル移民が多いブラジルはクリチバに在住中、ポルトガルと出逢い、2014年ポルトガル食品のインポーターに。
ポルトガル語、英語、日本語の3ヶ国語を話す。1児の母。趣味は茶道とフルート。

最近は「ZEN」と「マインドフルネス」について調べるのが好き。